着物講座『江戸時代の小袖裂にふれる会』ご感想
11月に2回開催しました着物講座『江戸時代の小袖裂にふれる会』
江戸時代の時代背景や染織技術の発達、それにともない変化した小袖の形態やデザイン、流行の色などについて聴いていただいたあとは、実際に江戸時代の綸子、縮緬、茶屋染め、摺箔、錦裂に触れていただきました。
ご覧いただいた小袖裂
小袖とは江戸時代の「着物」
明治以降は慣例的に「着物」と呼ばれています。
顕微鏡で小袖裂をのぞきはじめるとどなたも夢中!
「いつまでも見ていられる〜」と口々に。
綸子、縮緬の絹布の薄さ、やわらかさ
きれいに残っている平縫いの刺繍や駒縫い、亨保の時期限定の絞り染
絹にまけないしなやかさをもつ麻布に、細い線で表現された茶屋染め
劣化はしているものの金彩の美しさにため息の摺箔
織り込まれた引箔の細かい部分
それぞれの裂の特徴や染織技法、加飾技法についてもお話しながら、じっくり観察していただきました。
女子美アートミュージアムへ
2回目は相模原でしたので、その後、同市内の女子美アートミュージアムで開催中だった『女子美染織コレクション展 Part10 きもの -江戸から明治の装い-』にお出かけ会(会期は終了しています)。
今回のコレクション展は、着装にポイントをあてているもので、その移り変わりや小物の可愛らしさや細工の細かさに目を奪われました。
明治になり帯揚、帯締を使うようになり、現代の着方に近い着付けであっても、今より半衿を多く出してゆるりとした着姿は、現代より楽で動きやすそう。着物で家事をするのですから当然ですね、などとお話しながら(周りにご迷惑にならない小声で!)見学しました。
展示されている小袖には、直前の講座の中に出てきた技法やデザイン、事前に図録でご覧いただいた小袖があり、皆さまますます感激!
講座の中でお話した帯巾の変化がデザインにどう影響したのか、染織技法、デザインの流れ、素材感などを実際にご覧いただけけるとても良い機会でした。
ご感想
小袖裂に触れ、繊維の組織を見て有意義な一日
ちょうど時代小説にはまっていて、その生活の場面にでてくる小袖や裂に触れたいと受講してくださったKさま
「最近、脳内3割程は江戸時代に持って行かれているので、今日の講座からの女子美の楽しさったら、推し活の推しと時間を共にした様な高揚感でした。
物語と現実が入り混じり、そこにゆき和さんの解説があり、貴重な小袖裂を触らせていただいたり、繊維の組織を見る事ができたりと、わたしにとってはタイムリーでとても有意義な1日になりました。
ありがとうございました」
友禅や絞りなどの技法や刺繍の豪華さに感動
お着物好きでいつも素敵な着物姿のAさま
「本日は貴重な小袖裂など江戸時代のお着物を実際に見て触れてウットリと眺めさせていただきました。
友禅や絞りなどの技法や刺繍の豪華さに感動しました。
JAMでは、時代が進むにつれデザインが変化していくのが見ていて楽しく、庶民のお着物も一見質素ながらも実は見えないところを華やかにしていて、当時の人の知恵やお洒落心や粋を感じました。
帯留めや簪なども細工が素晴らしかったですね。
貴重な体験をさせていただきありがとうございました!」
いつも期待以上の内容
勉強熱心、何度目かのご参加のRさま
「江戸時代の小袖裂について、深く知る事ができました。
まず座学で、時代背景も合わせながら、小袖の変遷を知り、実際に布の組織を高倍率のレンズを通して状態を見る事ができました。
そして午後は場所を女子美術大学の博物館に移して、展示されている資料を午前中の記憶を呼び起こしながら、また、ゆき和先生の解説を交えて確認などもしつつ、じっくり見る事ができ、本当に内容の濃い講座でした。
いつも期待以上の内容で、次回も楽しみにしています!」
生地感を感じた素晴らしい体験
新宿での講座にご参加のTさま
「大変楽しく興味深く、豊かな時間を過ごさせていただきました。
ガラス越しで見ても感動したものを、実際に手に触れて生地感を感じることができて素晴らしい体験をさせていただきました。拡大ルーペ、欲しくなりました!
わかりやすく丁寧に説明していただけて、これから展覧会へ行ったとき楽しみ方の幅が広がりそうです。」
小袖の流行の変化や背景がわかって面白い
きもの文化検定1級のYさま
「貴重な布を見て触れることができて、感動でした。
時代や政治背景から影響を受けた小袖の流行りすたりの話が面白かったです。
新しい企画を楽しみにしています!」
次回の講座もぜひ参加したい!との嬉しいお声をいただき、この会をお開きにしました。
着物についてもっと知りたい、もっと親しみたいという勉強会を企画をしていきますので、
気になる方、こんなことが知りたいとおっしゃる方、お気軽にお問い合わせくださいね。