着物講座でお話したこと 講座のご感想
『この着物、こんなふうに染められています』
12月はリクエストいただいた染色についての講座でした。
糸、布に模様を染めるための防染方法や染め方、それによってどんな反物や帯にできあがるのかを中心にお話ししました。
実物をみて触っていただき、顕微鏡で観察した結果、織物と書いてあっても、実は染物であったものに気づいていただきました。
小紋や色無地、付下げ、訪問着は織り上がった白生地を染めて模様を染めます。
友禅染め、小紋染め、型染め、絞り染め、引染め、しごき染め、、、
織り上がった白生地を染めると訪問着、付け下げ、江戸小紋、小紋、色無地などの着物に。
糸の状態で染め分けた糸を織ると、縞柄や絣模様ができます。
簡易版の腰機で織り途中のものをご覧いただき、糸のくくり方や、経糸、緯糸の交差でできる模様を実際に確認していただきました。
これまで自分で勉強していたとき、個々の染織品の工程のどこにどんな違いがあるのかが把握しにくいと感じていました。
例えば、引染めとしごき染め。
染色工程の中では同じ地染めの作業ですが、なぜ呼び方が違うのか?何が違うのか? を一度に説明していることがなく、いろいろな方のお話や本などから自分なりに考えをまとめてきたのです。
それらの違いをわかりやすくお伝えしたいと構成した内容でしたが、
「織については様々な講座や記事を見かけますが、染については技法ごとの紹介はテレビ等であったかもしれませんが、全体的なお話は今まであまり聞いていないか、あるいは気づいてなかったので、今回はとても良い機会でした」
「様々な染色方法を系統立てて知ることができ興味深かった」
「防染方法にもいろいろなものがあり、想像以上の手間暇をかけて作られていることがわかり、持っている着物を大切にしようという気持ちになった」
といったご感想をいただき、目指していたことができたようです。
ご参加ありがとうございました!
これからも織物、染織技法、歴史など、実物に触れていただきながら染織品を身近に感じていただく講座や、着物をもっと着てみたいと感じていただけるような講座を計画していきます。