同じ型紙でも色によってテイスト違いに
東京八王子の藤本染工芸さんの工房展にお出かけ会。
夏に藤本先生の工房で一目惚れした桜と蝶の名古屋帯でいってまいりました。
モチーフは春っぽいですが、デフォルメされている、グレーを基調とした落ち着いた色味、今、最大のお気に入り、と秋からしょっちゅう使わせていただいています。
そして、いつも素敵ね〜と言われる一本。
この桜と蝶の型紙は明治時代のものだそうです。
一枚の型紙に色を挿しているとは思えないような繊細さと奥深さに震えます。
藤本先生のセンスで色挿しされた帯は、どれも優しくやわらかく、それでいてすっきり感もあり、個性的です。
同じ型紙でも、色や配色、ぼかしの入れ方などでちがうものに見えます。
雰囲気の違いに、型紙が同じものとは気づきにくいですね。
今回の工房展では新作もたくさん。
こちらの地の横線は、硬い刷毛に顔料をつけてひくそうです。
「毛引き」といって、昭和40年代ころに流行したそうですが
白場だけが残るより雰囲気が出ていて素敵と令和の今でも感じます。
工房展は21日水曜日までです。
ゆき和のブログを見たとおっしゃっていただくと良いことがありますよ
牛首の無地の単衣
泥藍の大島に
新田さんの草木染めの紬
どれにも大人可愛く合わせられます。
寒色系の色を挿せば、きりっとクールな印象になります。
藤本先生のところでは、自分の好みの色でオーダーできます。
父と同い年の藤本先生。
尊敬しかありませんが、優しい先生はこちらの要望も快く引き受けてくださいます。
東京の八王子、JRからも京王線からも歩いていける距離ですので、お時間ある方はぜひ。
型染のほか木版もされていますよ。
帯締めは道明さんの貴徳
帯揚げはコブナグサの鉄媒染です。