着物のカラーコーディネート<トーンのイメージと顔タイプ>

着物はパーソナルカラー、顔タイプ(柄、素材)だけではなく、コーディネートによってもその方のイメージにあう、あわないがでてきます。

イメージにあう=似合う
イメージにあわない=似合っていない
そんなふうに感じるからです。

・パーソナルカラーの色なのに似合わない
・似合う柄と言われたのに違和感がある
・似合う素材のはずなのにイメージが違う

そんなときは、色合わせがしっくりきていないのかもしれません。

着物と帯、小物のコーディネートを考えるとき、まずは色の調和=色合わせから考えるのがおすすめです。でも、この色はあうだろうなと思う色みのものを合わせても、その色のトーンが違う場合にはまったく違う印象になってしまいます。

「色相(色)」だけではなく、同時に「トーン」も考えてコーディネートすると、お似合いの着物姿や、なりたいイメージに近づけることができます。

トーンとは?

ではトーンとは何でしょう?

声や音の調子をトーンというのは聞いたことがあると思います。
「声のトーンが低い」「(音の)トーンがはずれている」という言葉はよく聞かれると思います。

色の“トーン”はいかがでしょう?

なんとなく想像しにくいですね。

トーンは「色調」と訳されています。

色の明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)の両方をミックスさせた指標、というのがわかりやすいでしょうか。

そしてトーンのグループ同士をまとめてあらわしたのがPCCSのトーンマップです。

私はお客様にお似合いの色の特徴を説明するときによく用います。

トーンマップ 着物コーディネート

*トーンマップ上の同じグループ内の色は、すべて同じ明度(明るさ)ではありません。
*友人のNさんがつくってくれたものをアレンジしました。Nさん、ありがとう!

トーンマップは特定の色に白、黒、グレーを混ぜてできた色の明るさ、鮮やかさが似ているものをグループ化して円に示しています。

色に白、黒、グレーを混ぜていくと、色の明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)が変化します。
白、黒、グレーが混じる割合で色は変化するので、このトーンマップ上のグループ以外にも無数の色が存在しています。


トーンマップをながめてみると、明るい色、暗い色、薄い色、濃い色、鮮やかな色、落ち着いた色など、トーンごとにちがうイメージがわいてきませんか?

12トーンそれぞれから受けるイメージは、色(色相)が違っていても共通しています。
以下にトーンの印象と似合う顔タイプを紹介します。

トーンイメージと顔タイプ

トーンはそれぞれ、印象が異なります。

トーンマップの一番右のビビッドトーンは純色とよばれます。
このビビッドトーンにどのくらいの白や黒、グレーが混じっているかで、明るさ、鮮やかさが変わり、色のもつイメージが変わります。

ビビッドトーン

ビビッドトーンは純色と呼ばれ、混じりけなしの色。
どの色も、ほかのトーンより鮮やかに感じます。
その色のもつ効果がもっとも強くでてくるトーンになります。

ビビッドトーン

ビビッドトーンのイメージは
鮮やかな
冴えた
派手な
いきいきした
などです。

ダイナミックで印象的な色なので、顔タイプでいえば、アクティブキュート、エレガント、クールタイプの方が着こなせるトーン。

明るくクリアなトーン

純色のビビッドトーンに白を混ぜていくと、上段のブライト、ライト、ペールトーンに変化します。

右から左にいくにつれて、徐々に白の分量が増えます。
白の量が増えると明るくなり、色みは感じにくくなります。

これらの3つのトーンは明清色といわれ、濁りのないクリアな明るい色が特徴です。

ブライトトーン

ブライトトーン

上段の左から3つめ。
純色のビビッドトーンに白を少し混ぜた色です。

ブライトトーンのイメージ

明るい
健康的な
陽気な
華やかな

ライトトーン

ライトトーン

ビビッドトーンに白を50%くらい混ぜた色です。

ライトトーンのイメージ

浅い
さわやかな
澄んだ
子供っぽい
カジュアル

ペールトーン

ペールトーン パステルトーン

ビビッドトーンに白を多く混ぜた色です。
色みが薄く、パステルトーンと呼ばれることもあります。

ペールトーンのイメージ

薄い
淡い
女性的
可愛い
若々しい
優しい
ロマンティック

これらの明清色は明るくカジュアルな印象になります。
子供タイプのキュート、フレッシュタイプの方に似合いやすいトーンです。
パーソナルカラーでは、春の方、明るい色が似合う夏の方に似合いやすく、
もっとも薄いペールトーンを合わせると素敵な冬の方もいます。

暗くクリアなトーン

純色のビビッドトーンに黒を徐々に混ぜてできるのが、暗くにごりのない暗清色です。
暗清色はいちばん下の段のディープ、ダーク、ダークグレイッシュトーンです。
右から左へ黒の分量が多くなります。

黒の分量が多いトーンは、もともとの色みがもはや判別不可能?

明清色と共通するのは、濁りのないクリアな色という点です。
違うのは色の持つ明るさ(明度)です。

ディープトーン

ディープトーン

純色のビビッドトーンに黒を少し混ぜた色です。

ディープトーンのイメージ

深い
伝統的な
和風の
濃い
ゴージャスな

ダークトーン

ダークトーン 顔タイプ

ビビッドトーンに黒を50%くらい混ぜた色です。

ダークトーンのイメージ

暗い
大人っぽい
円熟した


ダークグレイッシュトーン

ダークグレイッシュトーン

ダークトーンよりもさらに黒の割合が多い色です。
もともとの色みがかすかになります。

ダークグレイッシュトーンのイメージ

暗い灰みの
重厚な
渋い
男性的な

暗清色はナチュラル、クール、モダンな印象を与えてくれます。
顔タイプではクール、クールカジュアル、色によってはエレガントタイプの方は使いやすいトーンです。
パーソナルカラーでは秋、冬の方に似合いやすいグループです。

明るくにごりのあるトーン

ビビッドトーンに明るいグレーを混ぜていくと、明るくにごりのある色になります。
グレーの明るさと分量で、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)が変化します。

ですので、このトーンマップ上のグループ以外にも無数の色が存在します。

ソフトトーン

上から2段め、左から2つめはソフトトーン。
純色のビビッドトーンに、明るめのグレーを50%くらい混ぜた色です。

ソフトトーン 顔タイプ パーソナルカラー

ソフトトーンのイメージは

柔らかな
穏やかな
ぼんやりした

ライトグレイッシュトーン

同じ段の左端、ライトグレイッシュトーンはソフトトーンよりさらに灰色の量が多くなります。

イメージは
明るい灰みの
落ち着いた
渋い
おとなしい

明るい灰色を混ぜたトーンは、グレイッシュで優しい印象になるので、ソフトエレガント、フェミニン、エレガントタイプ、パーソナルカラー夏の方に似合いやすいトーンです。

暗くにごりのあるトーン

純色に暗いグレーを混ぜた色はダルトーン、グレイッシュトーンです。

ダルトーン

ダルトーン

3段め、左から2つめのダルトーンのイメージは

くすんだ
中間色的
鈍い

グレイッシュトーン

3段め、左端はさらに灰色の量が増えたグレイッシュトーンです。

グレイッシュトーン

グレイッシュトーンのイメージ

灰みの
地味な
濁った

暗くにごりのあるトーンは、どちらも落ち着いた大人っぽい色になります。

色と明るさによってソフトエレガント、エレガント、クール、クールカジュアルタイプの方に合わせやすいトーンです。

似合いやすいトーンをタイプ別にすると、このような感じになります。

もちろんパーソナルカラー、骨格、姿勢、雰囲気などと合わせると似合う範囲は変わってきますので、この通りではありませんが参考までに。

実際にはもっと広い範囲で似合いやすかったり、思わぬところが似合ったりもします。
着物と帯、小物に一色加えることでも印象は変わりますので、似合うコーディネートを知っておくことをおすすめします。


トーンマップ 顔タイプ着物診断

トーンにも配色技法があります。

似合う配色は色相とトーンの両方から考えると良いのですが、それはまたの機会に。
お読みいただき、ありがとうございました。

色相(色)の配色についてはこちらをご覧くださいね。
タイプ別のコーデも追加していく予定です!

着物のカラーコーディネート<色相の配色と顔タイプ>

顔タイプ カラーコーディネート