着物のカラーコーディネート<トーンのイメージと顔タイプ>
着物はパーソナルカラー、顔タイプ(柄、素材)だけではなく、コーディネートによってもその方のイメージにあう、あわないがでてきます。
イメージにあう=似合う
イメージにあわない=似合っていない
そんなふうに感じるからです。
・パーソナルカラーの色なのに似合わない
・似合う柄と言われたのに違和感がある
・似合う素材のはずなのにイメージが違う
そんなときは、色合わせがしっくりきていないのかもしれません。
着物と帯、小物のコーディネートを考えるとき、まずは色の調和=色合わせから考えるのがおすすめです。でも、この色はあうだろうなと思う色みのものを合わせても、その色のトーンが違う場合にはまったく違う印象になってしまいます。
「色相(色)」だけではなく、同時に「トーン」も考えてコーディネートすると、お似合いの着物姿や、なりたいイメージに近づけることができます。
トーンとは?
ではトーンとは何でしょう?
声や音の調子をトーンというのは聞いたことがあると思います。
「声のトーンが低い」「(音の)トーンがはずれている」という言葉はよく聞かれると思います。
色の“トーン”はいかがでしょう?
なんとなく想像しにくいですね。
トーンは「色調」と訳されています。
色の明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)の両方をミックスさせた指標、というのがわかりやすいでしょうか。
そしてトーンのグループ同士をまとめてあらわしたのがPCCSのトーンマップです。
私はお客様にお似合いの色の特徴を説明するときによく用います。
![トーンマップ 着物コーディネート](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/308a3f2f7438bdbd0427b89b076da2be.jpg?resize=800%2C610&ssl=1)
*トーンマップ上の同じグループ内の色は、すべて同じ明度(明るさ)ではありません。
*友人のNさんがつくってくれたものをアレンジしました。Nさん、ありがとう!
トーンマップは特定の色に白、黒、グレーを混ぜてできた色の明るさ、鮮やかさが似ているものをグループ化して円に示しています。
色に白、黒、グレーを混ぜていくと、色の明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)が変化します。
白、黒、グレーが混じる割合で色は変化するので、このトーンマップ上のグループ以外にも無数の色が存在しています。
トーンマップをながめてみると、明るい色、暗い色、薄い色、濃い色、鮮やかな色、落ち着いた色など、トーンごとにちがうイメージがわいてきませんか?
12トーンそれぞれから受けるイメージは、色(色相)が違っていても共通しています。
以下にトーンの印象と似合う顔タイプを紹介します。
トーンイメージと顔タイプ
トーンはそれぞれ、印象が異なります。
トーンマップの一番右のビビッドトーンは純色とよばれます。
このビビッドトーンにどのくらいの白や黒、グレーが混じっているかで、明るさ、鮮やかさが変わり、色のもつイメージが変わります。
ビビッドトーン
ビビッドトーンは純色と呼ばれ、混じりけなしの色。
どの色も、ほかのトーンより鮮やかに感じます。
その色のもつ効果がもっとも強くでてくるトーンになります。
![ビビッドトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/6b20eb965ade039f86bf1634b9bf5e87.png?resize=476%2C470&ssl=1)
ビビッドトーンのイメージは
鮮やかな
冴えた
派手な
いきいきした
などです。
ダイナミックで印象的な色なので、顔タイプでいえば、アクティブキュート、エレガント、クールタイプの方が着こなせるトーン。
明るくクリアなトーン
純色のビビッドトーンに白を混ぜていくと、上段のブライト、ライト、ペールトーンに変化します。
右から左にいくにつれて、徐々に白の分量が増えます。
白の量が増えると明るくなり、色みは感じにくくなります。
これらの3つのトーンは明清色といわれ、濁りのないクリアな明るい色が特徴です。
ブライトトーン
![ブライトトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/034bde4e7d447b0fa209af7472158a51.png?resize=302%2C302&ssl=1)
上段の左から3つめ。
純色のビビッドトーンに白を少し混ぜた色です。
ブライトトーンのイメージ
明るい
健康的な
陽気な
華やかな
ライトトーン
![ライトトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/a3a755f7ada6d9579f8c0d9453bfcdc7.png?resize=302%2C302&ssl=1)
ビビッドトーンに白を50%くらい混ぜた色です。
ライトトーンのイメージ
浅い
さわやかな
澄んだ
子供っぽい
カジュアル
ペールトーン
![ペールトーン パステルトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/349fa2da64582d11f3a217480c7bc51c.png?resize=302%2C302&ssl=1)
ビビッドトーンに白を多く混ぜた色です。
色みが薄く、パステルトーンと呼ばれることもあります。
ペールトーンのイメージ
薄い
淡い
女性的
可愛い
若々しい
優しい
ロマンティック
これらの明清色は明るくカジュアルな印象になります。
子供タイプのキュート、フレッシュタイプの方に似合いやすいトーンです。
パーソナルカラーでは、春の方、明るい色が似合う夏の方に似合いやすく、
もっとも薄いペールトーンを合わせると素敵な冬の方もいます。
暗くクリアなトーン
純色のビビッドトーンに黒を徐々に混ぜてできるのが、暗くにごりのない暗清色です。
暗清色はいちばん下の段のディープ、ダーク、ダークグレイッシュトーンです。
右から左へ黒の分量が多くなります。
黒の分量が多いトーンは、もともとの色みがもはや判別不可能?
明清色と共通するのは、濁りのないクリアな色という点です。
違うのは色の持つ明るさ(明度)です。
ディープトーン
![ディープトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/b38a69acc74c34e294ee30627a4eeca9.png?resize=302%2C302&ssl=1)
純色のビビッドトーンに黒を少し混ぜた色です。
ディープトーンのイメージ
深い
伝統的な
和風の
濃い
ゴージャスな
ダークトーン
![ダークトーン 顔タイプ](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/fd6610b0f0054e969e7ab0b9d7907761.png?resize=302%2C302&ssl=1)
ビビッドトーンに黒を50%くらい混ぜた色です。
ダークトーンのイメージ
暗い
大人っぽい
円熟した
ダークグレイッシュトーン
![ダークグレイッシュトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/522073ba4cfebe5476c01efcb891f257.png?resize=302%2C302&ssl=1)
ダークトーンよりもさらに黒の割合が多い色です。
もともとの色みがかすかになります。
ダークグレイッシュトーンのイメージ
暗い灰みの
重厚な
渋い
男性的な
暗清色はナチュラル、クール、モダンな印象を与えてくれます。
顔タイプではクール、クールカジュアル、色によってはエレガントタイプの方は使いやすいトーンです。
パーソナルカラーでは秋、冬の方に似合いやすいグループです。
明るくにごりのあるトーン
ビビッドトーンに明るいグレーを混ぜていくと、明るくにごりのある色になります。
グレーの明るさと分量で、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)が変化します。
ですので、このトーンマップ上のグループ以外にも無数の色が存在します。
ソフトトーン
上から2段め、左から2つめはソフトトーン。
純色のビビッドトーンに、明るめのグレーを50%くらい混ぜた色です。
![ソフトトーン 顔タイプ パーソナルカラー](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/6b310daab2b1103fbaa45e6de6c704df.png?resize=302%2C302&ssl=1)
ソフトトーンのイメージは
柔らかな
穏やかな
ぼんやりした
ライトグレイッシュトーン
同じ段の左端、ライトグレイッシュトーンはソフトトーンよりさらに灰色の量が多くなります。
イメージは
明るい灰みの
落ち着いた
渋い
おとなしい
明るい灰色を混ぜたトーンは、グレイッシュで優しい印象になるので、ソフトエレガント、フェミニン、エレガントタイプ、パーソナルカラー夏の方に似合いやすいトーンです。
暗くにごりのあるトーン
純色に暗いグレーを混ぜた色はダルトーン、グレイッシュトーンです。
ダルトーン
![ダルトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/742f6d7eb6ccecbe4233440f742a2c3d.png?resize=302%2C302&ssl=1)
3段め、左から2つめのダルトーンのイメージは
くすんだ
中間色的
鈍い
グレイッシュトーン
3段め、左端はさらに灰色の量が増えたグレイッシュトーンです。
![グレイッシュトーン](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/1521a661ae48373c5e307df64c7ddb1d.png?resize=302%2C302&ssl=1)
グレイッシュトーンのイメージ
灰みの
地味な
濁った
暗くにごりのあるトーンは、どちらも落ち着いた大人っぽい色になります。
色と明るさによってソフトエレガント、エレガント、クール、クールカジュアルタイプの方に合わせやすいトーンです。
似合いやすいトーンをタイプ別にすると、このような感じになります。
もちろんパーソナルカラー、骨格、姿勢、雰囲気などと合わせると似合う範囲は変わってきますので、この通りではありませんが参考までに。
実際にはもっと広い範囲で似合いやすかったり、思わぬところが似合ったりもします。
着物と帯、小物に一色加えることでも印象は変わりますので、似合うコーディネートを知っておくことをおすすめします。
![トーンマップ 顔タイプ着物診断](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/9668916c48a407795897ecb471b7b5d7.jpg?resize=800%2C634&ssl=1)
トーンにも配色技法があります。
似合う配色は色相とトーンの両方から考えると良いのですが、それはまたの機会に。
お読みいただき、ありがとうございました。
色相(色)の配色についてはこちらをご覧くださいね。
タイプ別のコーデも追加していく予定です!
![顔タイプ カラーコーディネート](https://i0.wp.com/kimonoyukiwa.com/wp-content/uploads/2021/08/9dec2f4aad3fc79bf4f7e4db55ec253d.jpg?resize=800%2C547&ssl=1)