箪笥の中のたとう紙、傷んでいませんか?

着物を包んでいるたとう紙、劣化していませんか?

お気に入りの着物、何度も出し入れするからボロボロになりました、、、
は、まだ良いのです。
着物もたとう紙も空気に触れているでしょうし
汚れやホコリもきっと気づいてとってあげているでしょう。

困ってしまうのは、色が変わっているもの、シミが出ているもの、そしてカビ!
ほおっておくと、中の着物にまでその影響が、、、危険です!!

たとう紙

たとえば、このたとう紙、
表面にシミがつき、紐も変色しています。
開けてみると、、、

紐、着物に変色がありました!

拡大します。

着物の変色

着物もしつけ糸も、たとう紙の紐も変色しています。

さすがに30年近く開けていなかっただけあります。
村山大島紬のアンサンブル、羽織の方です。
着物は出していたようですが、アンサンブルは着ることがなく
羽織の出番はなかったのでしょう。

たとう紙いろいろ

たとう紙

さまざまななたとう紙。

和紙、洋紙、和紙と用紙のミックス、、
下から順番に、和紙の割合が多そうに見えます。

和紙は、楮(こうぞ)、三叉(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの
靭皮繊維を漉いたもの。
(ちなみに麻も靭皮繊維です。簡単にいうと植物の茎の繊維が靭皮です)

和紙は下の画像のように、長い繊維が透けて見えます。

たとう紙 和紙

この繊維が絡み合って紙になるので、ところどころに繊維が見えるのです。
繊維と繊維の間に隙間があるので紙の表面は凹凸があって、ざらっとした感じ。

和紙は調湿性が高い紙です。
紙の中の繊維が、湿気を吸ったりはいたりしてくれます。
着物が置いてある場所の湿度が高くなっても、
着物が湿気を含む前に、紙が湿気を吸い込んでくれます。

反対に、普段使うことの多い洋紙は手触りがつるっとしています。
パルプ等からとった短い繊維を均一に漉くからです。

和紙は毛筆で書きやすく、美しい掠れが出る凹凸のある紙、
洋紙はペン先が引っかからないように、またインクが滲まないように滑らかな紙が
歓迎された結果ではないかと思われます。

たとう紙のお値段は、和紙の含有率で違ってくるでしょうね。

個人的な感想ですが、
やはり中身がお高いものは、和紙の含有率が高そうなたとう紙で
手元に来ることが多いかなと思います。

百貨店、お高めの専門店が入れてくださるたとう紙は、ざらざらが多く、
お安め専門店、リサイクル店は、洋紙率が高くて、つるつるなイメージがあります。

繊維はあまり見えなくても、ふわっとしているものもありますね。
これはどんな割合なのか知りたいと思っています。
吸湿性はあるような気がしますが、、

たとう紙を開けなくても中がわかるように、
鉛筆で中のものを書いておきます。

この時、ペンは使わないでくださいね!
インクがしみ出して、着物についてしまう心配があります。
中の着物や帯にシミがついたら一大事!

鉛筆は大丈夫!
博物館、美術館でのメモも鉛筆はOKですよね!

たとう紙に書く文字が、老眼のためどんどん大きくなってきて
最近は数年前の5倍くらいの大きさになっています(泣)!

窓があるたとう紙もありますが、個人的にはないほうが安心です。
窓のフィルムを貼っているのりの劣化とか
もしも紫外線の届くところに置いてしまった場合の色焼けとか考えてしまいます。

片側をあけてタンスにしまうのも楽ですが、
タンスに直接触れる可能性があることを思うとおすすめしません。
気軽な普段着なら良いかもしれませんが。

お子さんがお休みになってしまい、お仕事をお休みされている方、
予定がキャンセルになってしまった方、
箪笥の中の着物、ちょっと覗いてみてくださいね。

この機会に、着物の整理と保管の見直しも良いかもしれません。
たとう紙をお取り替えの方、ネットで見つけたら、
なるべく和紙が含まれていそうなものをポチッとしてください!

どの着物を残そうか、手放そうか、、というお悩みが出てきてしまったら
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