縮緬の精練
きもの文化検定工房見学会では、
丹後織物組合中央加工場さまで精練の工程を見学させていただきました。
実際に大きな精練工場を拝見するのは初めて。
やわらかものの手触りはこうやってできるのね!
を実感しましたので、ご紹介させていただきます^^
左・精練後のしなやかな紋縮緬
右・精練前の凹凸が目立ちゴワゴワしている状態
精練
精練は染色前の前処理で、セリシンや不純物を取り除くために行われます。
セリシンや汚れ等の不純物を落としてあると、この後の染色で、染料の定着がよくなります。
工場内には、湯気が上がった大きなお風呂?が整然と並んでいます。
吊り練りという方法。
生機(きばた・織りあがったばかりの織物)を、
弱アルカリ性のお湯の中に入れて精練します。
約8時間、漬けたり上げたりを繰り返して、不純物を取り除きます。
1反に約200リットルの水が必要とのこと。
水は軟水が向いているので、川から汲み上げた水をさらに軟水にして使っています。
乾燥
大きな乾燥機を通して乾燥させます。
20反分をつなげて、120〜130度で一気に乾燥させることで、
ムラやシミが出ないようにします。
シリンダーを通しての乾燥
徐々に乾かすと柔らかい風合いが出るそうです。
幅出し・丈出し
幅出しと丈出しで、布幅と長さを整えます。
検反
反物に傷や汚れがないかを目視で確認。
機械の裏側に検査の方がいらっしゃいます。
検査が終わったら、反物の織り出しに検査済みのハンを押します。
赤が合格、青は残念ながら不合格。
合格品が出荷となります。
*縮緬の製造工程*
蚕から取れた糸の製糸
↓
糸繰り
↓
整経(経糸)
↓
撚糸(緯糸)こちらをクリック
↓
製織 こちらをクリック
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精練
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乾燥
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幅出し、丈出し
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検査
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出荷
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染色
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製品
これだけの手をかけて縮緬はできます。
優しい風合いの縮緬の着物が着たくなりますね^^