縮緬(ちりめん)の糸作り *八丁撚糸機*

先日、きもの文化検定工房見学会でおじゃました縮緬の産地、丹後。
日本の絹織物の6〜7割は丹後縮緬だそうです。

縮緬、いわゆる柔らかものの着物に用いられる素材です。
織紋が入るのが紋縮緬。

ほかにもお召し縮緬、駒縮緬、綸子縮緬、紋綸子縮緬、鬼縮緬、うずら縮緬、、、
いろいろあります。
着物のほか、長襦袢地にもよく見られますよね。

縮緬の最大の特徴は、緯糸に強撚糸が使用されていること。

糸繰りした生糸に、八丁撚糸機で撚りをかけます。

八丁撚糸機

糸は撚りをかけることによって強度が増します。
強撚糸とは、文字通り強い撚りをかけた糸のことで
1メートルの間に3,000〜4,000回転の撚りをかけます。

特に水をかけながら撚ることで、撚りが固定されるそうです。
出来上がりの糸の太さに合わせて撚りを変えるため、
重り(しずわ)の重さや回転数を変えるそうです。

八丁撚糸機で撚られた糸は、その後
軽く煮る→乾燥→製織→精練の工程を踏んで縮緬の反物になります。

軽く煮るのは、生糸の表面のセリシンを溶かすため。
溶けたセリシンがのりの役割をして、撚りを固定します。

お召しに使用されるお召緯(おめしぬき)は、先練りの緯糸なので
練糸を撚る→のりつけ→製織→のりおとしの工程です。

crape

縮緬の顕微鏡画像です。
緯糸の撚りがわかるでしょうか?

撚り方向の異なる糸(S撚りとZ撚り、あるいは右撚りと左撚りと呼ばれます)を
交互に織り込みます。
1本おきに緯糸の撚り方向を変えて織り込んだものが一越縮緬、
2本おきに緯糸の方向を変えて製織したものを二越縮緬といいます。

製織のあと、精練して固定されていた撚りが戻ることによって、生地の凹凸が現れます。
この凹凸が、シボと呼ばれます。
シボの大小や撚糸の絡め方によって、様々な種類の撚糸ができます。

製織についてはまた次回♪