顔タイプ着物診断 *『エール』の着物
古関 裕而さんは明治時代が終わる頃のお生まれなので、
朝ドラ『エール』の中には大正から昭和初期の着物が多く見られました。
見逃した方、大丈夫!
見逃し配信もありますが、NHKでは今月末、第1話から再放送されるそうです。
コロナで撮影が滞ってしまっていますものね。
大正時代の着物
主人公お二人の子供時代は大正。
普段着物の絣模様を見るのが楽しみでした。
子役の石田星空くん、いつも可愛い絣着物でしたね。
さすが呉服屋さんの跡取り!というような素敵な絣柄ばかり。

女の子たちの着物も可愛い!

お母さま役の菊池桃子さんの着物も、
菊池さんの顔タイプ・フェミニンに似合っていて素敵。
呉服屋さんの奥様だけに、素材は紬ではなく地紋の入った綸子地。

菊池桃子さんのような、大人・曲線タイプのお顔には
ツヤのある柔らかい生地に上品な模様がお似合いです。
模様は雲取りの中に摺疋田を入れ、花模様とあわせた女性的で優雅な模様、
これもフェミニンタイプにぴったりです。
昭和初期の着物
お二人が結婚して東京で生活する昭和初期は、
大正ロマンにモダンさが増して華やかになった着物がたくさん登場。
カフェーの女給さんの着物は、銘仙が多いようです。

銘仙は太細のある糸を使った織物。
銘仙や紬などのカジュアルな着物は子供タイプに似合います。
*1番左
大きなかざぐるまのような模様。
線の強い大胆な幾何学模様はクールカジュアルタイプさんに。
暖かみを感じる色なので、アクティブキュートさんにも良いですね。
*左から2番目
四角の中に小さな市松模様がはいるキュートな模様。
はっきりした黄色や朱色、緑を入れた大胆な色使いは、アクティブキュートさんにお似合いです。
この着物、二階堂ふみさんがお召しでしたが、ぴったりでしたね。
*左から3番目
THE 大人の着物。
このように線を感じるぼかし模様はクールタイプの方に!
ツヤのある綸子地にぼかしの模様は、子供タイプが着ると違和感が出てしまいます。
こちらの着物は、カフェーのママさんがお召しでした。
立場にあわせて、着物のタイプも違います!さすが^^
この着物、私を含め子供タイプの方が憧れるテイストです笑
子供タイプの方が着られる場合は、帯や小物のどこかに
子供テイストを取り入れるのがポイントです!
全身を大人テイストにしてしまうと違和感がありますよ💦
*右端の着物
無地に市松の縦縞でいわゆる追っかけ模様と言われます。
インパクトのある柄行きです。
温かみのある緋色は、アクティブキュートさんにお似合い。
この着物が青や青みの紫等の寒色だったら、クールカジュアルさんにお似合いです。
柴咲コウさんが演じる双浦環先生
オペラ歌手で先生という職業柄か、綸子か縮緬の着物をお召しです。

柴咲コウさんのお顔は、大人タイプで、曲線・直線のミックス、
直線より曲線を少し多めに感じるクール寄りのエレガントタイプです。
エレガントタイプの方は、模様の大きい華やかな着物が似合います。
素材は光沢がある着物が素敵。
直線・曲線ミックスの方は、ハリのある素材も柔らかものも
どちらもお似合いになります。
この着物のように模様の目立つもの、大きいもの同士を
コーディネートするのは一般人にはハードルが高いですが、
柴咲コウさんくらい、お顔のパーツが大きくて目力がある方なら、とっても素敵です。
それにこのコーデ、配色を考えているのでチグハグ感がありません。
まず緋色の着物と帯をなじませて、帯の存在感を消しています。
羽織の地色が黒なので、着物(+帯)とはコントラストのはっきりした色使いになっています。
また、羽織の中にある小さな白抜きの梅と地色の黒の配色と
同じ白黒配色を、半襟と帯締に使うことで
全体の色に馴染ませつつ、コーデを引き締めています。

こちらは入山法子さんの着物。
お顔タイプに合っていて素敵でした。
入山さんは、柴咲コウさんと同じ大人タイプ・直線曲線ミックスですが、
優しげでソフトな印象をお持ちです。
エレガントタイプの華やかさよりも
落ち着きのある上品なイメージが似合うソフトエレガントタイプです。
ソフトエレガントタイプの方は無地の着物や、
無地場が多くて、そこに花模様が散らしてあるような模様がお得意です。
この着物と羽織は、お顔タイプにぴったりでした。
NHKのホームページやインスタで、ぜひお顔もあわせてご覧になってみてくださいね。
そして柴咲コウさんと入山法子さんのお顔を入れ替えてイメージしてみてくださいね。
同じ大人タイプ・直線曲線ミックスの方でも違いがあることに気づかれると思います。
大正着物の雰囲気がわかる美術館
大正着物のにご興味ある方、こちらの美術館をお勧めします。
高畠華宵大正ロマン館
現在、『華宵と大正のスィートメモリー 展』開催中です。
(5月30日から9月20日まで)
高畠華宵は、大正から昭和初期に活躍した画家で
この頃、雑誌の表紙を多く書いていました。
素敵な着物にコーディネート、この頃の空気感が伝わります。

行きたいですが、愛媛県。
会期中に飛行機に乗れるでしょうか?
こちらでも高畑華宵、竹久夢二の描いた着物女性の作品がみられます。
東京の弥生美術館・竹久夢二美術館
こちらはまだ展覧会情報が出ていません。
早く展覧会を楽しめる時がくると良いですね!