夏の麻着物を洗いました②宮古上布

麻は木綿と同様、水に濡れると強度が増す繊維です。
ですから自宅洗いも可能。
小千谷縮に続いて、宮古上布も家で洗ってみました。

この宮古上布はリサイクルで購入したのでサイズが小さめ、
我が家の小さな洗面台でも洗えるサイズです。

衿汚れはあらかじめリグロイン(ベンジンでも可)で落とします。
その後、中性洗剤(エマール、アクロンなど)を溶かした水中に
本だたみの着物を蛇腹に折って沈め、押し洗いします。

着物を着ている時に1番汚れるところは衿、袖口、上前見頃。

本だたみのままですと、それらの部分が中に折り込まれているので、
エリヤ袖の辺りは、少し開いて水を通すように振り洗いします。

本だたみですが、両袖とも見頃の上に出して折っておくと洗いやすいです。

この宮古上布は藍染めですので、洗った水は、かなり色がつきます。
汗、汚れ、ホコリ、そのほか藍のアクもでるので、
このように茶色っぽくなります。

初めて藍染の着物を自宅で洗ったときには
水が藍色ではなく、茶色になり驚きましたが、それはアクだと知って納得。
ワンシーズンに回を重ねていくと、藍色の水になります。

藍のアクが強いときには、塩水に一晩つけておくと良いと
藍染め作家さんに聞いたことがありますが
まだ実際にしてみたことはありません。

水をぬいて、2〜3回すすぎます。
すすぎの水は黄みがとれて、うすい藍色になってきます。
3回目、水の色がだいぶ薄くなったところですすぎを終了。

洗濯機で30秒から1分くらい軽く脱水します。

最近、タテ型の洗濯機にしたので、脱水にかけられますが、
以前はドラム式だったのでタオルドライでした。

タオルドライの方法は、バスタオルに着物を広げて、
端からクルクル巻いて円柱状にします。
上から少しおさえるとタオルに水が移ります。
でもタオルドライはシワがついてしまうのが気になっていました。

洗濯機の底にはまる大きさにたたんで
(洗う時に蛇腹で三つ折りだったのを、もう半分に折るとちょうど良いです)
短時間のソフト脱水だと、中でひっくり返ったりよれることもありません。

ドラム式だと、洗濯槽の壁に張り付いてグルグル回るのが見ていて心配だし、
スポードが緩んだ時に頂上にあった場合には、
真下に落とされるので外から見ていてハラハラしました。

軽く脱水したあとは、着物ハンガーにかけてお風呂に吊るします。
背の高い方の着物だと、浴槽の底についてしまうかもしれません。

着物ハンガー、袖の先端には、例のごとく
トイレットペーパーの芯にラップを巻いて裄出しします。

地の目の方向、たてよこに引いてシワをとります。
たていと、よこいとの交差点が直角になるように整えます。

バイアス方向(斜め方向)に引っ張ってしまうと
生地がよれてしまうので、布目のたてよこをよく見てシワを取ります。

衿元もシワが入らないように着物ハンガーの角度や紐を調節します。

ここである程度シワをとっておけば、アイロンかけも簡単。
半乾きくらいになったら、当て布をしてアイロンをかければ終了です。

自宅洗いは、宮古上布の独特の光沢感は薄れます。
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